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#3.11#デマ#ファクトチェック#原発事故#風評

3.11以降発信されたツイートのファクトチェック No.2

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3.11直後にTwitter上で多くリツイートされたツイートについて、そのファクトチェックを行いました。
今回は、ウクライナ政府の発表した報告書を過不足なく正しく発信しているか否かについて検証しました。
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3.11直後に拡散されたデマや風評について調べたい人

「報告書」の一部を取り上げた、ミスリードを誘うツイート

〈ファクトチェックを行うに至った経緯のあらすじが必要?〉
福島原発事故以降に出された”チェルノブイリorウクライナorベラルーシ” and “健康 or 病気”で抽出したキーワードの含まれるツイートから、リツイートの多かった順に検証します。

2013年11月8日に投稿されたツイート
「ウクライナ国家登録(SRU)によると、1986-87年の事故処理作業者においてはまた、感覚神経・器官の病気、不随意的血管性ジストニア(失調症)、本態性高血圧および脳血管病が、線量に依存して増加することも確認される」


このツイートについて検証しました。

〈解説〉

これは2013年10月に立ち上げられた、ウクライナ政府報告書bot(30分ごとに数十種の内容を機械的に発信)から発信されており、2011年4月に出されたTwenty-five Years after Chornobyl Accident: Safety for the Future, National Report of Ukraine(ウクライナ政府(緊急事態省)報告書『チェルノブイリ事故から25年』)の記事を元に書かれている。
NPO法人市民科学研究室(市民研)が2013年4月にウクライナ政府報告書の3章と4章を翻訳してホームページで発表している内容の一部である。
上記内容は、以下の表等に基づいて書かれているが、一方で「但し事故処理作業従事者に於ける非腫瘍性疾患の発症は、放射線の影響だけでなく、年齢・劣悪な労働条件・好ましくない生活習慣・ストレス・低栄養・合併症など、複雑な非放射線要因によっても条件付けられる。」と書かれていて、放射線以外の種々の条件が影響していることが報告書には書かれているが、ツイートでは全ては放射線影響のように書かれていて、ミスリードと考える。

更に詳しく

さらに詳しく知りたい方はウクライナ報告書のこちらのデータを参照ください。

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この記事を書いた人

宇野賀津子

宇野賀津子(京大理学博士)
公益財団法人 ルイ・パストゥール医学研究センター
インターフェロン・生体防御研究室  室長

専門:(公財)ルイ・パストゥール医学研究センター就職以来ヒトの免疫機能と疾患との関連の研究を一貫して進めている。対象は、癌患者のみならず糖尿病、リウマチ、キャッスルマン病、MPO-ANCA腎炎、最近ではCOVID-19と幅広く、インターフェロン・サイトカインの視点から一貫して研究をすすめている。
更にエイズ教育や外国人医療体制の確立、女性研究者支援活動にも係わる。
2011年秋からは日本学術振興会や日赤の要請で、福島県各地で低線量放射線の生体影響克服と食の重要性について講演活動をおこなった。その後、「放射線の影響とクライシスコミュニケーション」に関する先導的開発委員会 第二分科会主査、日本赤十字社「原子力災害における赤十字活動のガイドライン」作成のための研究会委員、生活関連の放射線に関する疑問への助言作成委員会副委員長等を務める。2016年より、3.11以降のtwitterによる情報発信の解析を進め、更にクライシス時のSNSによる科学的情報発信体制の研究を進める。

著書 
「低線量放射線を超えて:福島・日本再生への提案」小学館新書
「放射線必須データ32」創元社 分担執筆
「理系の女の生き方ガイド」ブルーバックス
「サイトカインハンティング:先頭を駆け抜けた日本人研究者達」日本インターフェロン・サイトカイン学会 京大出版会 編著

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  • 2023.07.20

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